介護保険法改定による厳しい変化

介護業界をサポートする介護保険法

通所介護と訪問介護は厳しい改正に

大きな変化が求められる事業も

厳しい改定になった介護サービス

介護事業所全体としてはプラス改定となった2018年度の介護保険法改定ですが、通所介護と訪問介護においてはマイナス改定となっています。全体的に引き上げとなった要因には、前回の改定による事業所の経営悪化などがあります。そのため介護事業所では利益率の高いところをマイナスに改定し、その分を利益率の低いところにプラス改定として回されることが多いです。通所介護と訪問介護の事業所は、2015年の改定でも同様にマイナス改定が行われましたが、それでも高い収支率を維持していたことから、2018年の改定でも引き下げ対象となりました。
加えて、2018年の介護保険法改定では、通所介護のサービス提供時間区分を1時間ごとに細分化しました。この細分化から、大規模な通所介護の事業所ではスケールメリットもあり、経営状況が安定していることが指摘され、大幅な引き下げへとつながっています。通所規模のデイサービスでは大幅な引き下げとはいきませんでしたが、一部引き下げが決定しています。

加算項目も新設されている

通所介護の分野では基本報酬が引き下げられましたが、その一方で、リハビリテーションマネジメント加算やADL維持等加算といった加算項目も新設されています。ADL維持等加算は、日常生活動作を維持したり、改善した度合いによるリハビリの成果から加算されるものです。この成果の評価にはバーセルインデックスが用いられ、今後はこのバーセルインデックスで成果を出す必要があります。単純にリハビリのみを行っているだけでは加算されず、リハビリの成果に着目していく方向性であることがわかります。

今後求められるもの

以上のことから、介護事業者に求められるものは介護をした時間ではなく、介護によりもたらされた成果であることと判断できます。つまり介護事業者が行うべきことは、介護の実施だけでとどめてはいけない段階であると言えます。積極的なリハビリを取り入れていき、利用者の要介護度を維持したり、改善することが求められています。
しかし利用者の全員が、自らリハビリに取り組みたいと考えている人たちばかりではありません。そのためリハビリを行う必要性などについて、十分に説明できるコミュニケーション能力も求められます。また、通所介護の利用時間はご家族の方が一息つける時間としても意義があります。そのため一律に対処をすることも難しく、利用者それぞれの事情に十分配慮した仕事をしなければなりません。

介護保険法の改定内容を詳しく知りたい人へ

介護職員が知っておきたいポイント!

介護保険法について意識しているのは経営者ばかりで、介護職員はあまり意識しない人が多いかもしれません。しかし介護職員でも知っておくべき介護保険法のポイントがありますので、しっかり押さえておきましょう。

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