プラス改定となった制度改定

介護業界をサポートする介護保険法

介護保険法改定で全体的にプラス改定となった背景

収支率と改定率と介護サービス

全体的な改定率はプラス

2018年の介護報酬の改定率は0.54%のプラス改定となっており、改定幅がプラスになるのは2012年の改定以来です。全体的にプラス改定となった要因には、前回のマイナス改定で問題となった介護事業所の経営難や、介護職員の離職率が増加したことなどの影響があります。また、前回のマイナス改定による問題以外にも、介護報酬の引き上げを粘り強く求めた世論と運動もプラス改定の要因になります。
しかしプラス改定となったのはあくまでも全体的な数字であり、基本報酬が引き下げとなっているサービスも見受けられます。引き下げられたサービスは比較的利益率の高いサービスに多く見られ、これは介護サービス適正化を推進するにあたり、訪問介護の利用回数に上限が設けられたことなどが影響しています。

報酬が引き上げられたサービス

では具体的に報酬が引き上げられたサービスについて見ていきましょう。地域包括ケアシステムを構築していく上で、今回の介護報酬改定では生活機能の向上や、介護人材の確保に対して引き上げが行われています。例えば、機能訓練指導員として勤務するリハビリの専門職は、1名以上の配置が「個別機能訓練加算」に義務付けられていました。これが外部のリハビリの専門職と連携して実施をすることでも加算が得られるように要件が緩和されています。同様に、ショートステイにおいてもこの加算項目が新たに追加されています。
効率的な介護サービスを目指すことに対する引き上げは、介護ロボットの活用が加算要件として加わっていることから判断できます。介護ロボットの導入によって、必要な人員削減を目指していることがわかります。実際に、特別養護老人ホームの夜間職員配置加算に、センサー付きの見守りロボットを導入することが加算項目となっています。

報酬が引き下げられたサービス

次に、報酬が引き下げられてしまったサービスについてです。報酬の引き下げが行われた主なサービスは、大規模な通所介護と訪問介護の生活援助サービスになります。大規模な通所介護はこれまでも引き下げが行われてきましたが、依然として利益率が高い状況であることから引き下げの対象になったと考えられます。
訪問介護の生活援助サービスの報酬が引き下げられた要因は2つあります。1つはサービスを提供できる人材を増やすために、難しい資格を必要としない仕事になったことが影響しています。2つ目の要因として、訪問介護においては利用者の生活機能向上に関わる身体介護を充実させたいという考えと、生活援助サービスは過剰なサービスに繋がりやすいことが影響しています。

介護保険法の改定内容を詳しく知りたい人へ

介護職員が知っておきたいポイント!

介護保険法について意識しているのは経営者ばかりで、介護職員はあまり意識しない人が多いかもしれません。しかし介護職員でも知っておくべき介護保険法のポイントがありますので、しっかり押さえておきましょう。

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